? 文書証拠:2022年4月15日付「大阪人事室長よりの回答」より抜粋
1. 就業規則等の送付へのご要望について
b. 未払残業代の記載について
繰り返しの記載となりますが、弊社は客観的な記録に基づき、貴殿への最大限の労働時間を算定のうえ支給しております。なお、弊社としましては、小平業務部長が貴殿に対して、時間外労働の抑制という観点から意図的にPC遮断後にPCを用いない業務を指示したという事実はなく、仮にPC遮断後にPCを用いない業務に従事したのであれば、その時間についても労働時間として自己申告することが可能であったと考えております。
? 論点1:自己申告を前提とした“労働時間の責任転嫁”
企業は「PCを用いない業務も労働時間として自己申告できたはず」と主張していますが、これは使用者が労働時間の把握義務(労基法第108条)を労働者に丸投げしている点で、制度的に不適切です。
実際には、入退室管理・複合機使用履歴(IDカードによる認証)などの客観記録が企業側に存在しており、調査可能な状況であったにもかかわらず、
栃木労働基準監督署の監督官は、
「見せてもらえなかった」
と述べており、企業に対して記録の提出を求める調査権限の行使すら行っていなかったことがうかがえます。
さらに、住友生命が労基署に協力しなかった事実は、同社の回答書においても次のように明示されています:
「労働基準監督署よりお聞き及びと存じますが…」
これは、企業側が労基署に対して記録の提出を拒んだにもかかわらず、行政側がそのまま調査を終結させてしまったことを意味しています。
これは、「記録が開示されなければ調査できない」という消極的対応の象徴であり、行政の事実確認放棄の一例です。
労働基準監督官の権限)
第百一条 労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。
② 前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。
第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の三第四項、第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条第七項、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
二 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第十四条の規定に係る部分に限る。)に違反した者
三 第九十二条第二項又は第九十六条の三第二項の規定による命令に違反した者
四 第百一条(第百条第三項において準用する場合を含む。)の規定による労働基準監督官又は女性主管局長若しくはその指定する所属官吏の臨検を拒み、妨げ、若しくは忌避し、その尋問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、帳簿書類の提出をせず、又は虚偽の記載をした帳簿書類の提出をした者
五 第百四条の二の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
- 労働基準監督官には、企業に記録提出を求める明確な法的権限がある(第101条)
- 企業は、その請求を拒否すれば刑事罰の対象(第120条 第四号)
- 従って、「見せてもらえなかった」で調査を打ち切ったのは、監督官が権限を行使していない(=怠慢)ことの裏付けになる

